左手を失ってもママを探し続けたこぐまのお話

2024年1月9日、東北のあるショッピングセンターにこぐまがものすごいスピードで迷い込んできたそうです。ところが、迷い込んできたこぐまは、なんだか、走り方がどこかぎこちない。

そう、左手首から先がない、

3本足の状態で走っていました。

本来であれば、母親と一緒に冬眠している時期。

なのにどうして?

不思議でならないですよね。

→ その話は後ほど。

 

報道によると、

こぐまは、痩せてガリガリで体長は50センチほど。

まるで子犬です。

迷い込んでから、ショッピングセンターに2時間、立てこもり、地元の警察と猟友会によって山へ返されたそうです。

 

その後の報道は、

・人里にくまが迷い込まないための対策

・今年はくまのえさが少なくて〜

・ほかでも熊の出没が〜

以上。

 

まあ、くま側からしたら、

ひどい報道です。。。

 

くまは居座ったわけではなく、

人間が囲い込んだので、

居座らざるを得なかったわけで。

身動き取れるわけはありません。

 

そもそも論、

なぜクマは人里に降りてきたのででしょうか?

 

結論をかいつまむと、

人が森をぶっ壊した、からであります。

・広葉樹から針葉樹へ植え替えたり

・リソート開発

・太陽光パネルの設置

などですね。

 

で、クマが森にすめなくなって、

人っ里に出てきたから捕獲する。

 

おかしくないですか…?

 

くまを捕獲したって、

根本解決にはなりません。

 

くますめる森を再生する、

人里に降りてこないように、林を作る、

できることはたくさんあるはずです。

人間の非はそっちのけ、

根本解説すら考えようとせず、

「熊出没」で視聴率を取ろうとする

報道姿勢に吐き気を覚えます…。

※ 熊出没はとても視聴率がろ取れるそうです。

私が参加する日本熊森協会からの情報によると、

左手を失ったこぐまは、

母くまともう一匹のこぐまと3匹でいたとこと、

1匹だけだ罠にかかって、

左手が抜けなくなってしまったそうなんです。

 

母くまも必死で外そうとしますが、

どうやっても抜けません。

 

時間が経てば人間に見つかり、

3匹ともどうなってしまうかわかりません。

 

母親は、

泣く泣くその子を置き去りにして、

もう1匹のこぐまとその場所をあとにしたそうです。

 

だけど、一人ぼっちでは生きられないこぐまは、

左手を失う覚悟で自力で罠を外して、

抜け出して、

お母さんを探してショッピングセンターに迷い込んできたそう。

 

そもそも、

人間が森をぶっ壊しておいて、

くまさんがすめなくなって人里に降りてきたから、

罠を仕掛けるなんて、

無責任にもほどがあります。

 

山林開発をした民間企業、

なんらかの形で関わった消費者、

開発を許した行政も同罪です。

 

そして、

いくら野生動物とはいえ、

餌のとり方もわからない、

餌もない雪山に、

たった一人で返されたら、

こぐまは生きていけません。

 

ましてや、

左手を失い、

怪我までしているわけです。

 

獣医に見せるなり、

然るべき処置を施すべきでしょう。

 

もしもクマではなく人間だったら?

間違いなく、119ですよね。

 

本件は、

熊の安全のためにも、

保護すべきだったと、

強く思います。

 

日本熊森協会が保護を名乗りあげても、

県は市の管轄、

市は警察の管轄、

警察は猟友会の管轄と言って、

連絡先は教えてもらえず、

保護はできなかったそうです。

 

この連携の悪さ、

野生動物への意識の薄さは、

まあ、世界的に見ても狂ってますね。

わかりやすい行政の責任転嫁のバケツリレーでした。

 

今後このような悲劇が二度と起こらないように、

私も微力ながら、

何らかの活動を始めようと思います。

 

できるのはドネーションと情報発信くらいですが…。

 

今願うのは、

山に帰ったこぐまの手の傷が悪化せず、

母くまと再開できたこと、でしょうか。

 

マスコミに至っては、

なぜクマが人里に出てくるようになったのか、

その根本問題からしっかりと掘り下げて報道してもらいたいですし、行政のずさんな姿勢にも突っ込んでほしい限りです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です